シン・ウルトラマン公開に向けて:昭和ウルトラブームとは

シン・エヴァに続いて2021年初夏にもう
シン・ウルトラマンが観れるとはなんという僥倖だろう。
※3/28現在 初夏→公開時期調整中 となりました残念!

てことで
マニアには周知の事実:エヴァに内包されるウルトラマン愛について
いまのうちにまとめておこう。
無論、シンエヴァ未観劇の方はお引き取りを。

昭和40年代
ウルトラマン・怪獣ブームは凄まじいもので
当時の日本国子供層はすべてその影響下にあったと思っていい。
視聴率40%超え!
ガンダムやエヴァの比でないレベル。
その当時子供だった庵野監督はまさに
ウルトラマンの虜であったのだろう。
平成ゴジラや平成ガメラでも描かれたように当時から庵野少年は
もしウルトラマンや怪獣が現実にいたら
どんな世界、物語が描けるだろう、と妄想を重ねたに違いない。
なんで怪獣は東京~関東にばっかり襲来して
僕が住む山口県には上陸しないんだ?
↓
きっと怪獣にも彼らなりの目的、目標があるに違いない
TACやZATの通常戦力では怪獣退治が出来ず
正体不明のウルトラマンが退治しちゃうって組織としてどうなの?
↓
ウルトラマンを鹵獲して自軍戦力にしちゃえばいいじゃん
そうした妄想の果て、そこに聖書に描かれる神話の世界を重ね
創作されたのが「新世紀エヴァンゲリオン」だ。
新劇場版に「円谷プロダクション」がクレジットされているように
エヴァにはウルトラマンの創作要素が多数オマージュとして使用されている。
非常に複雑で難解なように感じるエヴァの物語は
キリスト教的神話要素を抜いてウルトラマン目線で観ると逆に理解しやすい。
そもそもエヴァは
「鎧を着込んだウルトラマン」だ。
人類の味方をする神の国から来た超人と人知を超えた怪獣の闘い。
これを庵野視点でリアルに描いたらこうなった、がエヴァ世界。
M78星雲にあるウルトラの国=神々の世界
ウルトラマン=神の国から来た天使

エヴァの体型は
今回シン・ウルトラマンでも使用されている
初代ウルトラマン:古谷 敏氏の体型を模したデザイン。

擬似シン化第1覚醒形態
ではウルトラマンの「赤」が滲み出てる。

鎧を着込んだウルトラ戦士といえば「アンドロメロス」。
その正体はゾフィーだったわけだが
この辺もエヴァデザインのリソースとなってると推測
初号機:緑
2号機:赤
零号機:黄
八号機:ピンク
の挿し色が見事に符合w

セカンドインパクト:
そのビジュアルとして描かれた4体のアダムス
これをちゃんと見ると微妙にデザインが違う。
左から
ゾフィー
初代ウルトラマン
新ウルトラマン(ジャック)
ウルトラセブン
であることがわずかな差異で識別できる。
そもそもウルトラマンでは
「魂」と「肉体」が別個に存在、分離、合体できるものとして描かれている。
これがエヴァ世界での補完や描写に活用されている。
ハヤタ隊員の魂、ウルトラマンとの肉体共有など。
最終回ゾフィーのセリフ
「魂=命をふたつ持ってきた」
ウルトラマンとハヤタ隊員を分離し、双方を生かす御業を行うゾフィー
まさに神の所業。

ちなみに同世代と思われる漫画家:萩原氏も
「バスタード!」で神の使いである天使を「ウルトラマン」として描いている。
そのくらい、昭和40年代夢中でTVを観ていた子供には
ウルトラマン=神様
という刷り込みがされているのだ。
セカンドインパクトを起こした第一使徒:アダムの一人
画面左にいるゾフィーは魂と肉体に分離され
魂→人間の肉体を得て「渚カヲル」に
肉体→碇ゲンドウに渡る「ネブカドネザルの鍵」へ還元される。
難しそうな名前になってるが、これは要は
ウルトラマンに変身できる「ベータカプセル」だ。

これを用いてゲンドウはヒトであることを捨て「神に近い」存在となった。
心が折れて電車を降りたあと、すぐにカヲルが引き継いだのは
エヴァ13号機のなかでカヲルの「魂」と「肉体」が揃ったから。

「Q」予告で描かれた一シーン
「遂に集う、運命を仕組まれた子供たち」
シン・エヴァ観劇後であればコレが
手前はネルフ臨時司令に就任した渚カヲル
4つの影は最終決戦で登場したオップファー(運命)タイプエヴァ
mark9.10.11.12のパイロットであるアドバンスドアヤナミシリーズ
であることがわかる。
円陣4か所に描かれているのは「ウルトラサイン」

正式なサインと照らせばこれが
・マン
・セブン
・ジャック
・エース
のものであることが判る。
「遂に集う、運命の子供たち」とは
ゾフィー:カヲルを含めたウルトラ5兄弟!
「破」公開当時に判るワケないだろ、こんな仕込み!!

ウルトラ5兄弟が集えば
次に現れるのは当然「ウルトラマンNO.6」
シン・エヴァ冒頭
パリでのカチコミ作戦でパーツを獲得し
「オーバーラッピング対応型」へ改装される事実から
エヴァ8号機が「ウルトラマンタロウ」であることが判る。


よく見れば頭部形状がそのまんまだww
マリのイメージカラーでピンクになってるのがミスリード
ちなみに
「Q」エンディング予告で描写され
「シン」では出てこない「8+2号機」は
円谷特撮作品「ジャンボーグナイン」のオマージュだ。
今はほぼ消滅している特撮ヒーロー。

この操縦方法がハンドル式。

8号機パリ作戦時の操縦方法がコレ。

ウルトラマンタロウ25話
タロウは4兄弟と合体し最強形態となり強敵を打ち倒す。
これが「ウルトラオーバーラッピング」!
・マン
・セブン
・ジャック
・エース
を同化する「フォー・イン・ワン」形態。
エヴァmark9.10.11.12を捕食同化し
最強のエヴァンゲリオン:「フォー・イン・ワン」形態となり、マイナス宇宙に侵攻するエヴァ8号機。
うわ、まんまじゃんか!
そりゃエンドクレジットに「円谷」を表記し、使用料を払うよね…
ここまでやりきって
同じ2021年に「シン・ウルトラマン」を公開できる庵野監督は
オタクの本懐を遂げ、光悦至極であろう。
見事な人生。
還暦、おめでとうございます。
謹んで作品拝観させていただきます。
以上。
